TOP > スポンサー広告 > title - 少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 3-11TOP > 少女探偵団 大阪戦争? 福あり! > title - 少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 3-11

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 3-11

「えー! そういうのって、結婚するまでやっちゃ駄目なんだよー」
 香南と理央んは電車のドアに寄りかかっていた。
 ホーニーの処理とは何かと辛うじて小さな声で聞いた理央んに、香南はあれこれ手を変え品を変え説明してやっと理解させることに成功した。
「馬鹿~。それって単に処理を結婚前にもするか、結婚後に解禁するかの違いじゃない!」
 香南は切り捨てた。
 ばいばいを言って駅に降りた後、当然のようにバーガーショップに寄り、本日の獲物相手にホーニーを爆発させた香南であった。



 深夜の「木賃宿」。真執は壁によりかかって書類に目を通す。
『江礼資源開発役員会議事録 一、自衛隊……』
 背後でブザー音が鳴り中腰まで立ち上がった時、
 どんっ!
 頭上に見事に「壁」が落ちてきた。
「痛えっ!」
「Oh! I'm sorry!」
「君は僕のボディーガードだろう。怪我をさせてどうするんだ」
 頭を押さえ、背後から現れた男に文句を言う。床の間横の壁が、床を支点にぐるりとこちらに倒れかかって、真執の頭を直撃したのである。まるでお笑いだが、仕掛けとはいえ「壁」はそれなりに重い。
 隣室から出て来た男は慌てて頭を下げる。
「声をかけてから開けろってあれほど言っただろう。僕が着替え中だったらどうするんだ」
「滅相もない……申し訳ありませんっ! お嬢様、お怪我は?」
 なまりのある英語。
「こぶが出来た。それだけだ」
 顔をしかめてこたつに移動する。男はこたつ前に膝を揃えて座るが、促されて横に入った。
「先ほどの男たちの写真です」
「ありがとう。早速調べを入れる。……何だ」
「お嬢様。崔《チェ》さんとも話したのですが、この連中はプロフェッショナルです」
「君たちと同じ、か」
「私どもほどかどうかはわかりませんが」
 皺の刻まれた、だが迫力のある細面いっぱいに忠誠を表しながら淡々と真執に迫る。
「実戦経験があることは間違いありません。彼らのうち二人は米軍出身、一人はイギリス連邦のどこかでしょう」
「そうか。はい、セダニもどうぞ」
 真執は背を伸ばして急須から茶を入れる。
「…かたじけないです」
 男は静かに頭を下げた。
「お嬢様? お嬢様のことはが命にかえて守りますが、今日来ていたようなお友だちには、彼ら相手に私どもではとても手が回りません」
 政治力で解決した方がいい、と暗に諭しているのだ。
 政治は苦手なんだが、と未熟な柑橘を噛んだように笑って伏せる。
(久々だ。ここまで明白にマークされるなんて)
 国内か海外か、どんな勢力の差し金か。何が目的なのか不審に思う。
 阿妃佳は少女探偵団の活動絡み、つまり連続殺人の犯人側の牽制と取った。どこからそんな発想が出てくるのか真執は呆れる。

『……君に火を点けてしまっただけか』

(あの跳ねっ返りが!)
 香南ではない。アレの「とんでもない事」は思いつきで、しょせん反抗期のガキにすぎない。危険に飛び込み、平然と火中の栗を拾うのは阿妃佳の方だ。
 阿妃佳は同類と思ってか明に暗に香南の世話を焼くがー残念ながら香南には通じず報われていないー似た者同士でも何でもない。ともあれ自分は、団員として以上に「友人」の阿妃佳を守らなくてはならない。
 仕事では敵を罠に嵌めることもあるし、結果としての裏切りもある。
 それでも人間として恥ずかしいことはしたくない。もがいて、結局無様になって嘲笑されるのはー嫌だがー仕方がない。ここではいつ敗者に落ちるかわからない世界で、水に落ちた犬は動かなくなるまで叩かれる。
 自分の中に胸を張れる一線があればいいー真執は思う。阿妃佳たちを守ることは線の内側だ。大阪問題の渦中に乗り込むのなら、それは阿妃佳の想像以上に困難となるー
「ったく、あの馬鹿!」
「……はあっ?」
「いや。友人の話だ」
 このアパート八室のうち実に五部屋が真執の所有、いやアパート自体を買い取っていて、三室はカモフラージュに貸しているだけであった。





 全てうまくいっている。世はこともなし。
 その人物は緊迫する大阪情勢を伝えるニュースを見ながらそう呟いた。
 予想外のアクシデントも勃発したが、全部味方につけた。
(誰にも邪魔などさせない!) 
 ―少女たちが笑顔で暮らせる日のために。



 目次 

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

小説へはこちらから
最新記事
最近の有無那
ボリウッド4のうち3つまでは見ました。あとは「きっとうまくいく」のみ。ついでにインド映画の御大アミダーブ・バッチャン、ハリウッド初出演の「華麗なるギャツビー」も見たいです…(7/9)
有象無象
連載メルマガ
現在連載中のメルマガはありません
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。