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少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 4-5

「もういいだろ? うちのに替わってくれ」
 真執はボディーガードに何度も丁重に謝った。
「済まないが、至急ガソリンの処理を頼む」
『香南さんが始めるとおっしゃってますが。専用の消火器を持っていらしたそうで。いえ、背負って来たのは理央んさんの方ですが』
「君たちの方が確実に処理出来る。伝えてくれ」
『えー、コレ灯油じゃないのぉ?』
『灯油よりガソリンのが引火性が強いんだって!』
 電話の向こうで香南と理央んが話している。
 知っていてそれを押し付け、おまけに消火器まで持たせた香南を改めて何て奴だと思う。(本人に言わせれば他人の物は自分の物、危険なことは他人に押し付け、とでも言うだろう)
『お嬢様が到着するまで、お二人は如何いたしましょうか。別の所でお待ちいただくか、それともお部屋にお茶でもお持ちしておいた方がいいでしょうか』
「理央んちゃんはともかく、香南ちゃんは手足を拘束しておいてもいいくらいだけど……」
 真執聞こえるって! 暴力はんた~いという声がする。
『ったく! うちに居られるのもしゃくに触るんで、二時間後に駅前のコーヒーショップでと伝えてください』
 ボディーガードがそう言うと、
『真執~っ! あたし今月おこづかいすっごく厳しいんだけど、ジュースおごって!』
「いい加減にしろ~~~っ!!」
 ぶちり。
「時間節約のため自家用機で帰る。翆さんに手配してもらってくれ」
 携帯を返し真執は仏頂面で言った。


「かなうことはない」
「へっ?」
 木賃宿の中廊下を出て明るい戸外に目を細めてから、はっと香南は振り向く。
 理央んは冷たい目で揺れる桜の木を見ていた。今の平淡な声もこの子が発したもの。つまりー
「白い卵……?」

                ※

「今度はこれを見てほしいんだが」
 阿妃佳の前に、聖蓮女学院校門前の献花台を撮った写真が置かれた。
 毎日連行される取り調べ室。中年の男の刑事と、もう少し年上の女刑事といつものように顔を合わせる。教室半分ほどの大きさの会議室らしい部屋の隅に、阿妃佳はブラインドが降りた窓を背に、二人は明るい戸外に向って座る。このまま永遠に通い続けるのではないかと思うような日々。
「ここに写っているのはお前だな」
「はい」
「どうしてこんなとこに行ったんだ」
「恥ずかしいことですけど……興味があったんです。大きな事件があった所だったので」
 新聞社が撮ったらしい写真だ。幸い香南が一緒に居たとはわからない。花束を台に乗せる阿妃佳に対し、香南はいち早く背を向けている。
 そっと胸をなでおろす。
「ほおっ。テロ現場になっ」
「野次馬的な好奇心で……反省してます」
「今までに事件を見にいったことはあるのか」
「はい」
「ほおっ。どこだ」
「X遊園地。Y予備校」
 どちらも少女探偵団の「仕事」として出かけたところだ。
「そんなにコロシに興味があるのか、お前は。で、今度は実際にやってみたってわけか? えっ?! 違うのか」
「違います。私は人殺しなんて嫌いです」
「そうか。『お前』がか?」
「警部補! 止めてください。……明灰さん気にしないでね」
 刑事たちは男がムチで女がアメと役割分担をしている、と阿妃佳は見ていた。
「じゃあキティーポニークラブのことを聞こうか」
 最近はずっと同じことの繰り返しだ。ボロが出るのを期待しているのだろうが、阿妃佳には嘘はない。少女探偵団という「秘密」は誇りを持って隠し通す。自分の肩には二万年の責任がかかっている。
「君はクラブに話を聞きにいくのを申し込んだ時、学校の課題だと言ったそうだね」
「はい」
「だがね。私らが調べたところでは―お前を教えている全教科の先生に当たったんだがね―そんな課題を出した先生は一人もいなかったんだがな」
「口実です。済みません。本であのクラブのことを読んで、一度話を聞いてみたかったんです」
「嘘つきじゃないか! えっ?!」
「済みません」
「ごめんで済むことじゃねえぞ。そんな風にしょちゅう嘘をついている嘘つきの明灰阿妃佳の言うことじゃ、今までの話も信じられねえな。何か隠してるんだろ。わかってんだぞ!!」
 ドンと机を叩く。凄みの利いた声は、探偵団の仕事で修羅場をくぐっていなければ、それなりに効果的だったろう。
(私、リーダーなんて向いてないのかしら。やはり)



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