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少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 4-6

 阿妃佳が思うに、人は何だって理由にして犯罪を起こす。太陽がまぶしかったからでも、失業したからでも、お気に入りの猫が死んだからでもありだろう。
 中学生拉致殺人にも入試現場爆破もそれなりの動機があるのだろうとは思った。だが両方に共通する動機となると難易度が上がり過ぎる。領事館・大使館襲撃事件が続き、何をターゲットにしていいかわからなかったので、思いついた大阪情勢を絡めてみた。そんな程度だったから、ろくに指示が出せず半ば自主捜査に任せた結果、この有り様だ。
 挙句の果てに、今度は聖蓮受験生の一人が殺害された。
 自分はもうお手上げだ。だが団としてはそうはいかない。
 少女探偵団長を二年以上務めるのは長いらしい。有能な証拠だと真執は言ってくれた。トップである以上自信のないところは見せられないから、まんざらでもない顔をして見せたけれど、そんなのは大嘘だ。
 香南のようでありたかった。
 ーあの「性格」は勘弁してほしいが。さすがに。
「まあいい。そろそろ昼にしよう、カツ丼でも食うか」
「湯葉ヒレカツでお願いします。もしあれば」
「ふざけんなー!」
 ポパイがほうれん草を食べた直後のようにいきなり体を起こし、警部補は仁王の如く立ち上った。顔も寺院の門を守るそれのすさまじさだ。
「がーーーーっ!! お、お前、高校生のくせにて湯葉ヒレカツなんて生意気だ。そもそも未成年のくせしてヒレカツを食うってのが間違ってる! 俺なんかなあ、カツ丼どころかいつも親子丼だ。下手したら給料前は天津丼だぞ! 卵だけなんだぞっ! 湯葉ヒレカツっていったい何だそれ…」
「ヒレカツを湯葉で包んで……」
「うっるせぇーーーーーっ!! 俺が食ったことがねえもんをお前が説明することだけでも腹が立つ!」
「警部補っ!」
「だいたい今どきカツ丼なんてとったら利益供与とか言われて証拠採用出来なくなっちまうんだから、ただのジョークだ。それなのに万年金欠病の俺にヒレカツなんぞ高いもん注文しやがって。そんなこと言ってるとうちの母ちゃんみたいに毎月ネットオークションでわけのわからんものを落札して翌日には後悔して三日後には忘れてまたポチッと注文する悪いオトナになっちまうぞ~~!」
「け・い・ぶ・ほっ!」
 とうとう女刑事が彼を羽交いじめにし、ずるずるとドアまで引きずっていった。
「少し休憩ね、明灰さん」
 バタン!
 ドアが閉まると阿妃佳は大きくため息をついた。
 これで自分は、少女探偵団長の責任を果していることになるのだろうか?

 同じ頃、署の一階。
 受付の警官の目に入ったのは、ロケット砲なみの胸だった。
 彼は近づいてくる胸にしばらく釘付けになっていて、女が自分の前で用件を話し始めた時もろくに顔を見なかった。谷間が谷間にならないほどのすごいボリューム、それでいて垂れていない。奇跡だ!
「聖蓮受験生事件の捜査本部に呼ばれている、明灰阿妃佳ちゃんに会いたいんですけど」
「っと……ご家族の方ですか。それとも弁護士の先生?」
 警官は今度は下を見た。足もいける! 細いが余裕のあるカーブを描いた長い足が膝上のタイトスカートからにょにょん! と出ている。黒のストッキングというのがまたいい。
「いいえ。年の離れたお友だち、みたいなもんかしら」
「そ、そういうあいまいなものではちょっと……」
 それでも職務は忘れない。警視庁巡査なら当然だ。
「お母様の許可は得てますわ」
 手書きの委任状をカウンターに放り出す。警官は内線を捜査本部にかけながら言った。
「ですが向こうは未成年ですし、身元がはっきりしない方とは……」
「悪いけど、アタシはそちらの捜査本部からも呼ばれてるの。それにアタシのことなら多分皆さん知ってると思いますけど」
 回すように取り出した警察手帳を見て警官は絶句した。


 ドアから顔を出した女刑事が妙に遠慮がちに言った。
「明灰さん。面会を希望する方が来てるんだけど。その……」
 後ろから彼女をつきのけるようにその女は現れた。
「沙月さん!!」
「あなたらしくないヘマを踏んだわね。明灰阿妃佳ちゃん」
「……ご迷惑かけて申し訳ありません!」
 阿妃佳は跳ね上がるとその場で九十度頭を下げて陳謝した。




 その人物は今「安全な所」に居た。
 回りの物音は少々うるさく、人々の話し声もカンに触るが、自分が連続事件の犯人として逮捕されることはもう絶対にない。
 フクシュウはカンペキに行われたー
 はずだったが、その人物はまだ怒りを抱えていた。
 どう説明したらいいのかわからない。
 それでも言うなら、フクシュウにフクシュウされたような感じだった。



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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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