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少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 5-2

 大阪では自衛隊の駐屯地を人々が取り囲んで投石する騒ぎが続き、警護の機動隊との間に小競り合いが起きていた。
「神奈川県警が用あるの?」
「色々仕事があるのよ香南ちゃん。例えば、兵庫や京都との府県境で検問やってるのは全国からの呼び出し組、とかね」
 沙月の求めに応じて阿妃佳が経過を説明した。
 第一の事件は横浜。聖アンドレアの女子中学生二名を拉致、うち一名を惨殺。
 第二の事件は都下の聖蓮女学院中等部入試会場爆破事件。死者二名、負傷者多数。
 その後第三から六は米国、中国、韓国領事館、朝鮮学校高等部と関西の外国関連施設の襲撃(未遂)事件が相次ぐ。韓国領事館だけが神戸で、あとは在大阪。幸いこちらは怪我人の一人すらなし。
 最後第七の事件は、第二の事件にも遭遇した聖蓮受験生の扼殺事件。
 第一・第二の事件では明確な殺意と殺害の実行にも関わらず、一方で一人逃したり、被害が大きくなる細工をしないなどの奇妙な行動が共通していると、香南が指摘した。
 だがその理由も、こんなバラバラな犯行を繰り返す犯人の動機もまだわからない。
 団が事件に取り組み出してから真執がマークされるなどの事実から、阿妃佳は「大阪への反感を煽る」のが事件の目的ではないかとの仮説を立て、清大会など反大阪勢力へ捜査を広げようとした矢先だった。
 報じられた二点の「犯行声明」のうち、第二の事件後のものは実は香南の「告発」
 最後の「声明」の真偽は不明だだが、警察は両者を同一犯人のものとみなし、その絡みで阿妃佳がマークされたらしい。
 全ての事件に共通するのは現場に置かれた「おかちめんこソース」のボトルのみ。
「違うって。警察は何か別の証拠を隠してて、それで連続事件だって判断してるんだって!」
 別に共通の遺留品があるから模倣犯と区別出来るんだと香南が冷たく言う。
「香南ちゃん」
 沙月の声はどんな冷えた料理でも燃え上がらせるほどの怒りに満ちていた。
「あなたの件は後でたっぷりと二人で話をしましょう。警察官って立場からは補導ものだからね」
 そして一喝。
「もっと自分を大事になさい!」
 大事にしてるからちゃんと処理―言いかけたのは沙月の一瞥で不服そうに止まる。
 そのまま阿妃佳は香南に話を進めさせた。
「だーかーらー、あたしには結局警察のチェックは入らなかった。だけど司令と真執に声がかかったってことは、二人で行った所が当たりなんだって! 本物の犯行声明を作ったプリンターがあった場所ってこと。結構二人で遊んでるんでしょ。最近どこ行った?」
「カフェにうどんに、ホテルのケーキバイキングに、渋谷まで洋服を物色しに行って、真執の友だちの劇団のお芝居にも、下北沢《シモキタ》と新宿に一回ずつ見にいったわよね」
「随分たくさんデートしてんだ」
「理央んちゃん!」
 真執が怒鳴るが無視して香南が続ける。
「プリンタが置いてあるようなとこはなかった?」
「……刑事さんにもさんざん聞かれたけど、覚えがないわ。プリンタを使うのは家か学校の授業くらいで。コンピューターの授業も先月で終わったし。ネカフェにも行かないから」
「キティーポニークラブには行かなかったのかしら? 紹介したわよね」
「行きました」
 沙月にうなずく。
「そっか! 司令、そこでプリンター使わせてもらったりした?」
「全然。話を聞いて、ちょっと資料をもらっただけよ」
 真執も首を振る。
「でも聞いた中じゃそれくらいしかプリンターがありそうなとこはないな……待って!」
 香南の目が猫のように鋭くなる。この子のこういう瞬間は好きだ。
 香南自体は苦手で、誰かをそう思う自分も阿妃佳は好きではないけれど。
「沙月さん。最新の犠牲者ー桜谷美弥がどこからの帰りに被害にあったか、知ってます?」
「いいえ。なんにも。アタシは神奈川県警だから、警視庁の情報なんて入らないけどね。マスコミ以上に」
 肩をすくめる。
「そう言えば日本警察のロミオとジュリエット、って週刊誌に書かれてましたね」
「それ大げさよ~」
 沙月は頬を染めて真執に手を振った。見ながら阿妃佳は思う。
 ーいい大人が本気で照れなくても。
「なんでー? 神奈川の警察と警視庁って敵同士なのぉ?」
「たいてい隣同士の県警って仲悪いの。警視庁と神奈川県警はこれまた格別! なんだって」
 理央んに説明するとすぐ香南が向き直る。
「司令。もしかしたら、桜谷の行き先はキティーポニークラブだったんじゃない?」
(!)
「何でそうなるんだ?」
「真執わかんないのー?! そこだったらテレビや新聞に隠さないわけいかないじゃない? いろんな犯罪や事故の被害者の集まりを、マスコミの餌食にさせるわけにはいかないから。あたしはどーだっていいと思うけど、大人ってそういう偽善が好きだし。……真執たちがその猫馬クラブに行った時も、外部の人間をすごく嫌がってたんでしょ」
「それはそうだが」
 爆発事件で受けた心の傷を癒すためなら、確かにあり得る。
「ルートはどう? キティーポニークラブから被害者の家に帰るのに、現場の乗り換え駅を使う?」
「ああ、確かに。けど……」
「事件が発覚したら、警察は当然、被害者が直前までいたキティーポニークラブを調べるわよね。最近出入りした人間は聞き出すだろうし、外部の、つまり会員やスタッフ以外でしかも高校生の司令たちってちょっと珍しい部類だと思う。で、司令の学校に当たって実はそんな課題はないと知ったら……疑われはするって! しかも調べたらクラブのプリンタが、遺体の下にあった犯行声明を印刷した物だとわかった、とかだったら?……」
「先走り過ぎだわ」
 癒しの「宝石箱」のモノたちなんかよりも、ずっと今の香南の方がきらきらしている。
「じゃあ司令はどう思うのよ?」
「まだ考え中です。キティーポニークラブに連絡して、カマをかけてみるって手はあるけど……」
「それはアタシがいいわ」
 沙月が携帯をかけるが、すぐに切る。



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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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