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少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 5-5

 判明してる清大会メンバーのアリバイは団員たちで手分けして調べ済みだった。(=戦力外の理央ん以外の四人で)
 ネットでほぼ割り出せたほど彼らは公人だった。本来なら情報が出ないはずの秘書の筧雅比呂と言えば、
「ハーイ!」
 待ってましたと香南が手を振る。いや。
(いつもより動きが鈍い)
 ここのところずっとだ。自分が連行されたことに責任を感じたりショックを受けるようなタマではないのにー?
「筧は受験生殺害事件の朝から一週間、ネット上に姿が見られませんでした~! 何をやってたんだかね」
「……ちょっと待って。どうしてネットでそんなこと確認出来るの?」
「で・す・か・らー! あの格好で歩いてるのを見たら、十人中九人が人に言いたくなるでしょ? で、そのうちの何人かはネットでしゃべりたくなるってワケ!」
 あくまで香南のしゃべりは軽快だ。

『見ちゃった見ちゃった、うさぎ耳男! 撮影現場は赤坂で~す!』
『ケータイを向けたら、なんと手を振って笑い返してくれました。なので目線こっちです。おかしな人じゃなくて、やさしそうに話してくれました。感じ良かったです! 結構顔もイイかも。でもね……』

 ブログサイトを沙月に見せる。
「香南、人のパソコンを……」
「使ってまーす! ほら!」
 今度は突っ込めたが、蛙の面に何とやら。予想通り言うだけ無駄。
 わかっているのに説教屋、香南の指摘通りの「いい子ちゃん」の自分。(とはいえ罵倒される筋合いはない)
「うわーっ、強烈っ! ……あったま痛いわねー!」
 沙月は狂ったように髪を掻き乱した。
「どうして誰も何か言ってあげないの? これがアタシより一つ年上の男? 筧代議士は注意しないの?!」
「若い者には若い者のセンスがあるだろうから、好きにやれと言われているとのことです」
「センスも何もあるわけないだろーがーっ!!!!!」
 リスのしっぽを付けたいならどうして高そうなスーツを着るのか、確かに疑問だ。
 いっそ着ぐるみで街を歩けば潔いのに。
「第一の横浜中学生誘拐殺人があった日、筧は夜の七時前後の六本木で姿を見られています。あの事件は一晩監禁してるし、横浜と六本木なんて簡単に行き来できるから、アリバイはないも同然です。第二の聖蓮入試爆破事件、これは犯人が布団屋のバイトとして学校に入ったのは前日の深夜だから、目撃証人はいなくて当たり前。第三の関西領事館連続襲撃未遂事件だけど、この頃筧は関西に行ってます。事務所の公用だってことが議員のサイトからわかるんだけど……目撃証人は奈良市内、京都市内、それから神戸市内ね」
 砂嵐に遭った後のような頭になった沙月が、眉をひそめる。
「偶然かしら」
 阿妃佳は、もう肯定出来なかった。
「いいえ。……おかちめんこソースを使った連続事件の犯人に反大阪勢力を仮定してきましたが、筧雅比呂をその有力候補に挙げていいかと思います」
「そう?」
 切り返す香南の軽い声に、阿妃佳はとんとんと眼鏡の弦を叩く。
「性格ワルそうな精神科の医者はどうなるの? 猫馬クラブと清大会の関係を割り出さない限り、そんなこと言えないって!」
「司令は仮定の話をしてるんだ。自分は根拠なしで決めつけるクセに、人には要求するんだな」
「他人に厳しく自分に甘く。ダブルスタンダードは基本だって!」
 火花の散った真執と香南の視線の間で胸を張り直す。
「……岩室先生、あなたたちが来た後に議員から寄付の連絡があったって言ってた。目立つ服装で使いが来たから追い払ったって―」
 沙月の顔色は今や青い。
「目立つ……」
「服装」
「議員―」
 銘々つぶやいた時、華やかなメロディーで携帯が鳴った。
「ただちに!」
 大阪が大変! 言い残して沙月は愛車ドゥカティに飛び乗り走り去った。


『裏切り者~、それでも大阪のポリかいな~!』
『ミサイル落とされたんやで! 人死んだんやで! なんでそいつらを殺人罪で逮捕せえへんのやアホんだらー!』
 叫ぶ男たちが次々と機動隊員にごぼう抜きされていく。
 八尾の自衛隊駐屯地は大阪府警の機動隊員に三重巻きで警護されていた。
『おのれほんまに大阪人かいな!』
『…うちは尼崎の出ぇや』
 泥だらけの男を抱え込みながら一人の機動隊員がぽつんと言った。
『何ぃ! おーい、ここに兵庫の裏切りもんが潜入しとるでぇ~! 鳳さん、ええんか!』
 あほ、と叱責され尼崎出身の若い機動隊員が首をすくめる。
 数珠つなぎに護送車に送り込まれ、見る間に群衆は数を減らした。残りの強硬派は新たに警察車から降りてきた集団にぎょっと動きを止めた。
 黒いグラス、迷彩服に黒いプロテクトアーマーの上下。
 手にするはサブマシンガン。
 「大阪府警」の白抜き文字の目立つ彼らは、警察部隊の最高峰SAT(スペシャル・アサルト・チーム)だった。



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