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少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 5-8

「二発目は私が」
「頼む!」
「なーに、それ?! 鉄砲?」
 理央んは全く事態がわかっていない。
「無駄話はなし! もういい。二人はテーブルの下に隠れて! これでバリケードを!」
 木の物入れを叩き落としてテーブル下に入れ、イスも蹴り倒す。香南と理央んはその奥にもぞもぞと姿を隠した。気慰め程度のバリケードの向こうに。
「携帯で一一〇番をお願い」
「そんなんで!」
「連中が一番恐いのは日本の警察に見つかることだよ」
 悲鳴をあげた香南を真執が銃をチェックしながら黙らせる。
「出来たらボトルと残りの石を敵に投げつけなさい。あくまで、自分の身を守れる範囲で。ちなみに窓の外は逃げられません。十センチと間がないから。私たちは警察が来るまで耐え抜きます。それだけ。はいこれ」
「ゲロパックね」
 母親が商品を入れるファンシーな紙袋を落とした時の、香南のセリフ。品がないと文句を言う余裕はもちろんない。
「司令はどうすんのよ」
「真執の援護をします」
「一分後に到着! 最初に飛び込んでくるのはうちのだ。攻撃するな」
 イヤホンから携帯を聞く真執の低い声。
「じゃあバリケードは?!」
「一瞬外す。君らは出てくるな! 石はそのままでいい」
 外に早い足音。真執がドアを開け、背後の阿妃佳はさっとイスを引く。
「ナララ《飛べ》!」
 真執が叫び、長身の男は大きな跳躍を見せて飛び込む。背後に黒いスーツの男の姿。阿妃佳は早くも冷や汗でドアをばたんと閉め、サムターンを回し再びイスを倒してドア前を塞ぐ。
 知っている。プロフェッショナルの前には全て気休めだ。
 だが自分は責任者。部下の命を守らなくてはならない。
(私に他者の命なんて守れるのー?)
 こちらにもプロが一人。だがボディーガードの義務は真執を守ること。阿妃佳たちが血まみれになっても、真執だけを守って脱出するだろう。
(この状況ならどちらにしろ運命共同体だわ)
 それは真執にとっては不運であり、ほかの三人には幸運でー
 思考は一瞬だった。
 ガツガツン! たいして大きくない音を立ててサムターンごとぽろりと落ちる。次のもう少し大きな音でドアが蹴破られた。


「あれ朝鮮語?」
 理央んが尋ねる。共に猫のように丸くなり、頭の前にその言葉を発したボディーガードが放ってくれたミニクッションを立てて、だ。
「って……多分。韓国語」
 香南のひそめた声が震える。
 二つの音に続き急に部屋が明るくなった。ドアが破られたのだ。
 息が止まりそう。恐い。
 イスを蹴飛ばした金髪の男が、香南たちがドア前に転がしておいた丸い水晶に足を取られステンと転ぶ。くすりと笑んだ時右から真執の銃が火を吹いた。香南は既にガーゼのハンカチで口元を覆っている。理央んにも鼻押えて! と言ったがまごまごしている、うちに金髪男が仰向けに倒れて跳ねた。
(当たった!)
 真執は阿妃佳に銃を投げると同時に崩れるように膝を折り、崔に背後に押し込まれる。
 真執の銃を受け取った阿妃佳は、左手前の机の影に隠れて狙いを付けるー香南が見ていられたのはここまでだった。
「おえーっ!」
 ハンカチで覆ってもこの匂いはどうしようもない。
「香南ちゃん、何これ」
 掠れた声の理央んは痙攣のように背を上下させる。
「…臭気銃」
 今回が三回目になのだが、香南には未だに見つからない。ドブと腐った食べ物をまとめて三倍にしたような悪臭を説明する言葉が。
「真執の秘密兵器。体内で十分位で消えて生体に同化する特殊な銃弾使ってるから、警察にバレたくない時にいいんだけど……こっちも動けないのよね」
「き、気持ち悪い……」
「だからゲロパック……ほらっ!」
 どういうわけか阿妃佳は比較的この匂いに強いのだが、普通は駄目だ。
 今度は髪の色が少しダークな黒スーツ男。手に大きなナイフが光ったが、銃声と共にやはりすぐ倒れる。ボディーガードが最初に倒れた男の銃を奪って撃ったらしい。
 ダダッ!
 今倒れたはずの男から銃声が響く。
(とどめは刺せてない)
 香南はぎゅっと身を縮める。携帯は……ポケットを探り、さと美にメールした時にテーブルに置いたままだと気付いた。どうしよう。
「理央ん、携帯持ってる?」
「うっ……おげーーっ」
 戻している彼女の背をゆする。
「携帯出せっ! 吐いてていいから!」
 右手がもぞもぞと動き白いバータイプの携帯が差し出される。吐いている彼女から顔を反らし、息を詰らせながら一一〇番を押す。
 ダン! ダン! 
 断続的に銃の音がする。臭気から復活したらしい真執が崔の背後でハーブボトルを投げた。フローリングの床に白い跡がつきボトルが割れる。色のついたオイルも水も床に流れるとただの染みだ。
 電話は応答せず、よく見ると手中の携帯はアンテナが立っていない。
(まさか……妨害電波?)



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