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少女探偵団 大阪戦争? 福あり! 3-2

「……おそらくそれは、琴咲ユカリの『卵』だわね」
 アンドレア女子中事件の生き残った方ー阿妃佳は冷静に指摘した。
「なんでよ! だって理央んの卵は『お姉さま』を殺したって言ったんだって!」
 卵なんてと馬鹿笑いしたことも棚に上げ香南は思いっきりふくれた。蛸よりもふぐよりも不機嫌だ。
 被害者たちは先輩後輩、なんてことよりも、今、目の前で理央んが平然としているのが気にくわない。

 阿妃佳に携帯で連絡がついて小一時間後、まず駆けつけたのは真執だった。
 小屋上の道路に、黒服の中年男が運転する黒い車が止まる。
『あー、リムジンだあっ! すごーいー!』
 先ほどまでの化け物ぶりはどこへやら、突然理央んはいつもの調子で跳ねて行き、不本意ながら真執に抱えられて車に乗った香南は呆然とした。
 これでは何でもないのに大騒ぎした弱虫みたいではないか?!

「……真執ちゃんってお金持ちのお坊ちゃんなんだ?」
「『お坊ちゃん』じゃない! けどお金はある。うちは油田を持ってるから」
「油田~!」
 のん気に話している理央んを見ると、ふっくらとしたふくらはぎに蹴りを入れたくなる。
 どうしようか、蹴ろうかな?
 その油田は日本海側の海中に太平洋戦争末期に発見された。占領軍の物になることを嫌い、当時の政府幹部が開発会社の関係者で、油田に一番近い島を所有していた真執の祖父にこっそりと管理を依頼したという。
「以来代々、油田の管理人をうちがやってる」
「んにゃ!」
 軽く理央んの足にスニーカーの爪先をヒットさせた後、阿妃佳に訴える。
「まさか被害者たちは実は生き別れの姉妹でお父さんとお母さんの身分違いの純愛が村にダムが出来るとき開発業者のせいで家族が離散してそのまたお父さんとお母さんの戦争での悲劇が、とかって昔の少女小説みたいなこと言うんじゃないでしょうね!」
「香南ちゃんくわしいんだな」
「っ!」
 そうではなくて、と阿妃佳が答える。
「女子校にいたことがないからよくわからないけど、あるんでしょ? 女の子同士で半分親友、半分恋人みたいな関係。理央ん、どう?」
「うん! わたしも中等部の時先輩とメール交換してたよ。うちでは『お姉さま』とは言わないけど、そういう学校もあるって」
 琴咲と被害者は同じテニス部の先輩後輩で、とても親しい「姉妹」だった。阿妃佳が言い終わるのを待たず、
「あ! ほら! ほーら! ほら! 琴咲ユカリがやっぱ犯人……」
(いや、違う)
 言ってから思った時に、
「それはあり得ない」
 他人から指摘されると三倍腹が立つ。関せず真執は続けた。
「僕はさっき、琴咲に会ってきたばかりだ。正確には『見た』だけなんだがね。彼女は今、視覚障害者の訓練施設にいる」
「えっ?」
 真執は看護師に化けて求人面接で施設の内部に侵入した。
「ンなことして採用されたらどうすんのよ!」
「されない条件をつけたから心配いらない」
 真執が通りすがりに確認したのは、琴咲が母親らしき女に付き添われて、白い杖を握る姿だった。
「視力を失っていただけじゃない。左手の薬指と小指もなかった。頬には大きな傷があった。事件前の彼女について、そうだったとは聞いたことはない」
 思わず息を飲む。
「真執が確認できただけでこれだから、他にもっとあるかもしれないわ」
「ひどい……」
 阿妃佳はうなずき、
「香南ちゃんがひどいと思うくらいだからな」
「真執っ!」
「視力を失って泊まり込みで施設で訓練中の彼女には、聖蓮の事件に関わることは無理でしょう」
(ちっ!)
 と阿妃佳が理央んに視線を投げる。
「ねえ。その公園の『卵』は、あなたの学校にいた『卵』と同じ人だった?」
 そうだ。それを聞く手があった。
「ううん。違う人」
「どうして違うとわかるの」
「わからない」
「??」
「だけど、さっきのは女の子の声だった。おばーさんでもないし、おしっこ漏れちゃうってちっちゃな子でもなくて、わたしたちと同じぐらい? って感じ」
「で、学校に浮かんでた『卵』は男の人の声だったのよね」
「そうそう! だから違う人なんだ。司令さっすが~!」
 その時、阿妃佳が携帯をぱっと耳につけた。
「……ちょっと待って。今たまたま集まってるの。ラーダ以外はね。皆にも聞かせるから」
 携帯をパソコンと繋ぐとスピーカーから声が流れた。

『も一度言うで。先週、大阪と神戸で各国の領事館が嫌がらせされた事件の現場からソースが検出されたんや』
(!)
『全部おかちめんこソースやったって。大阪府警がそっちの事件との関連を調べとる。あんたら「日本」で扱ってる事件やろ?』




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